滝呂地区の陶磁器産業の課題や方向性

投稿日時 2009-03-07 13:04:42 | カテゴリ: T-スタイルとは

 今回はこれからの滝呂地区の陶磁器産業の課題や方向性などを現理事長 松原朝男さんにうかがいました。



 多様化する生活スタイルやユーザーのニーズを考えると、今までのような「大量生産」「薄利多売」型の経営スタイルではなく、生産設備のスリム化、コンパクト化、新しい流通システムの確立など、「進化」「革新」が求められています。これは、われわれ滝呂地区のみならず、食器生産の7~8割を担っている美濃焼の陶磁器産業全体の課題でもあります。

 これからは、単なる「食器」として捕らえるのではなく、多様化する生活スタイルの中の「テーブルウエア」として考える視点が必要です。フレンチやイタリアン、HR(ホテル・レストラン)市場などの業務用市場では異型の圧力物のニーズが高まっています。エンドユーザーでも同じような傾向があり、購買層の中心である20代~30代の女性を中心に、幅広いレンジを対象にマーケティングを行うと、金彩・銀彩というような華美な加飾を施したものではなく、よりシンプルなテイストを好む傾向があることが分かります。

 高品質な白磁を得意とする滝呂地区にとっては、この傾向はチャンスと捉えています。更なる高品質の追求はもちろんのこと、ユーザーの感性に働きかけるようなデザイン力の向上がカギになってきます。内部でのデザイナーの育成はもちろんのこと、外部デザイナーとのコラボレーションなどで斬新な提案をしていくべきだと考えています。

 日本国内の内需拡大はもちろんのこと、アジアの市場にむけての流通ルートをいかに拡大して行くかが大きな課題です。白磁などを中心に、ハイクオリティーな製品、斬新なデザインを持った滝呂地区の陶磁器産業はまだまだこれからが活躍・躍進の時ではないでしょうか。




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